お酒の作り方を簡単に解説

こんにちは。食いしん坊です。

最近はビールばかり飲んでおりますが、お酒がどうやってできるかって意外にも一般的には知られていないと思い、記事を書くことにしました。

初めに

「発酵でできる」ってところまで知っている方でも、もう少しだけ踏み込んで理解していただければと思います。お酒だけでなく、あまたある発酵食品に対する理解も深められれば幸いです。

お酒は発酵でできる

発酵とは?

酵母の生命活動です。酵母は栄養や温度などの環境がよければ増殖します。その過程でさまざまな副産物が生じます。それによって食べ物(じゃなくてもいいですが)に変化が起こります。好ましい変化なら発酵と呼ばれます。好ましくないなら腐敗です。この二つの違いは人類の好みで決まったもので、自然界的には同じ現象です。

お酒の正体がアルコールであることはご存知の通りですが、それは副産物としてアルコールを生じる酵母を使用します。人類はお酒が大好きなので発酵というわけです。

お酒の材料

酵母

上述の通り、お酒造りの主役は酵母です。サッカロマイセスとか聞いたことはありませんか?こいつは糖を食べて、アルコールを吐き出す酵母です。サッカロマイセスにもいろんな種類がいて、アルコールをたくさん吐き出すやつ、濃いアルコールの中でも生きられるやつ、などがいます。

炭水化物

酵母の餌になるものです。炭水化物は、お米やイモなどの主食になるもの(穀物)や、果実に多く含まれています。

お米やイモ、と言いましたが、この中にある炭水化物はでんぷんと呼ばれる状態で存在します。これはサッカロマイセスにとっては巨大すぎて餌になりません。

ですので、サッカロマイセスとイモだけではお酒はできません。

そこで、でんぷんを食べて糖を吐き出す酵母に手伝わせるのです。アスペルギルスオリゼーという名前が有名です。麹の正体はオリゼーなのです。

ヒトの場合でも、生米や生のサツマイモをムシャムシャ食ってると消化不良でお腹を壊しますよね。蒸した米なら大丈夫です。それはオリゼーにとっても同じで、加熱したものをオリゼーに与え、オリゼーが出した糖を次はサッカロマイセスに与えます。これでアルコールができるルートができました。

穀物(でんぷん) → 加熱 → オリゼーの餌 → 糖 → サッカロマイセスの餌 → アルコール

そして、オリゼーにしてもサッカロマイセスにしても、糖やアルコールだけを吐き出しているのではありません。微量ながら多くの種類の物質を吐き出します。これらがお酒に複雑な風味をもたらしています。

お酒は世界中で作られる

ところで、お酒は世界中にありますよね。飲まなくても生きてはいけるのに。

一方で、炭水化物は無いととても困ります。そこで農業で真っ先に炭水化物になる作物が生産されます。この作物は地域によって多種多様です。日本人は米を食い、ヨーロッパでは小麦を食い、アフリカではキャッサバというイモを食って生きます。

実は酵母は空気中に漂っています。酵母がこれらの作物に付着し、偶然によってアルコールにまで行ってしまった、というのが起源だといわれています。

地域によって炭水化物の源である作物が多様で、酵母の種類も多様(アルコールを作る基本の性質は共通)なので、世界中にいろんなお酒があるのですね。

材料とお酒の種類

日本酒

原料は米。大吟醸とかそういったことは法律の話なので割愛。

日本酒の製法は実は他のお酒に比べて極めて複雑です。並行複発酵といいます。同時に複数の発酵が起きる、と理解してください。

でんぷんを分解して糖にし(オリゼーの役割)、糖をアルコールにする(サッカロマイセスの役割)ことを上で説明しました。他のお酒はこの工程を順番にやります。

一方で、日本酒は同時にやっちゃいます。二つの発酵が同時に起こっていますね。しかも、余計な酵母や菌がつかないように、事前に乳酸菌(サッカロマイセスと仲が良い)を植えて環境を整えるという配慮っぷり。

甘酒にアルコールは含まれるのか?

甘酒に2種類あります。アルコールの含まれるものと含まれないもの。日本酒の作り方を理解していれば簡単に区別できます。

蒸した米にオリゼーだけ入れて作るもの。でんぷんが糖になっても、サッカロマイセスがいないのでアルコールにはなりません。麦芽糖と呼ばれるものが多く含まれ、優しい甘さがあります。

日本酒の酒かすから作るもの。オリゼーとサッカロマイセスが活躍したら、ドロドロの液体ができます。これを絞って清酒が完成しますが、その時にできた絞りかすが酒かすです。当然アルコールは酒かすにも残ります。そして、生成した糖はサッカロマイセスの餌になっているので、あまり甘くはありません。甘い味にしたいなら砂糖を加えます。

ビール

原料は大麦(もっと多様)。私はビールもパンも好きなんですが、共通している麦が好きなんでしょうか。

大麦も糖ではなくでんぷんの状態ですが、オリゼーは必要ありません。大麦は芽を出すときに(麦芽)でんぷんを分解する酵素(※)を自ら生成するのです。ですので酵素が死なない程度の温度を保てば、甘酒のように糖がたくさん含まれた麦汁になります。先程、米からできるのに麦芽糖という糖ができる謎が解けましたね。大麦は麦芽糖を自ら作るのです。

(※)酵母も自分で「酵素」を出してでんぷんを分解します。ヒトの胃や腸でも同様のことが起きています。

ビールといえばホップですが、アルコールの生成には関係ありません。

ワイン

原料はぶどう。ぶどうです。

なぜ繰り返したかというと、ぶどうにはブドウ糖が多く含まれるからです。

そう、糖が元からあるので、あとはサッカロマイセスに働いてもらうだけですね。単純なので、ワインが恐ろしく古くからあるのも納得できます。

作り方は比較的単純ですが、ワイン沼と呼ばれる趣味の領域が広がっています。

蒸留酒

ここまで説明したお酒たちは、比較的度数が低いものでした。なぜか?

それは、サッカロマイセスが高いアルコール度数に耐えられず活動できなくなるからです。アルコールは消毒にも使われることからわかる通り、酵母も殺してしまうのです。

限界まで発酵したお酒を蒸留すれば、より強いお酒を造ることができます。

ウイスキーは大麦やコーンの、ブランデーはブドウの蒸留酒です。

そう、これらはビールやワインからつくっているようなものです。

蒸留酒は太らないか?

蒸留では、アルコール(と香気成分)のみを取り出すことができます。そのため太りにくいといわれます。本当でしょうか?

例としてビールとウイスキーで考えましょう。

ビールには含まれるアルコール以外の成分はなにがあるでしょうか。サッカロマイセスが残した糖や、麦芽から溶け出した栄養が含まれていそうですね。これがカロリーになります。

一方でウイスキーは香りのほかにはアルコールだけ。アルコールのカロリーは、アルコールを飲んだことによる体温の上昇などで消費されてしまうらしいです。真偽不明。

こうしてみると、確かにウイスキーのほうが太りにくいとはいえるでしょう。しかし、アルコールを摂取すると、体が脂肪を蓄えようとしますので、同じカロリーを摂取したときには、アルコールをとったほうが太りやすくなります。

結論として、「アルコール飲料を飲む前提なら蒸留酒がマシだが、アルコールを取らないほうが太らない」といえます。

人類はお酒が大好き

テキーラって何からできるかご存知ですか?

リュウゼツランという花です。よく、こんなものからお酒を造ろうと思ったもんだなぁって思うナリしてます。でんぷんがあればお酒になるといってもどんだけ好きなんだよ、ってテキーラを知ったときには思った記憶があります。

いかがでしたか?発酵を大学で勉強した立場でザックリ解説しました。

お酒や発酵食品に関する知識が深まったならうれしいです。それでは。

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